30歳からのプログラミング

30歳無職から独学でプログラミングを開始した人間の記録。

『図解即戦力 Amazon Web Servicesのしくみと技術がこれ1冊でしっかりわかる教科書』を読んだ

Amazon Web Services(以下 AWS)の入門書。
AWS やその前提となる知識について、非常に平易に解説している。理解を促すための図も豊富で、分かりやすい。
AWS を学ぶ最初の一冊としてオススメ。

gihyo.jp

AWS が提供しているサービスは多岐に渡り、独自の用語も多い。
そのため全体像を掴みづらく、入門者の心をへし折りやすい技術だと思う。少なくとも自分は何度もへし折られてきた。

できることが膨大すぎて、どこから手を付けていいのか分からない。
調べ物をしていても、次から次へと知らない用語が出てきて途方に暮れる。
結果、ググって出てきた記事の内容を模倣してお茶を濁す。取り敢えずやりたいことは実現できているのだが、自分がどんな操作をしたのかは分かっていない。本当に、「言われた通りにやったら動いた」というだけ。
これではいつまで経っても自分で考え判断できるようにはならないし、いい感じの記事が見つからなければ困ってしまう。
AWS の詳細について知る必要はないと思うが、主要なサービスについては、何のための機能でどういうことが出来るのかは、分かっておいたほうがいい。

最近も、Docker や Kubernetes の勉強をしようとして ECS を使おうとしたが、VPC が全く分からず詰まってしまった。
自分が触ったことがあるのは S3, CloudFront, Lambda あたりなので、VPC とは縁がなかった。

いつもこんな感じだな、もう少しちゃんと AWS を理解しておきたいなと思っていたときに本書を見つけたので、読んでみた。
著書が『仕組みと使い方がわかる Docker&Kubernetesのきほんのきほん』を書いた人で、この本が分かりやすかったので、本書もよさそうに思えた。

numb86-tech.hatenablog.com

実際、非常によい入門書だった。
ただ単に AWS について解説するのではなく、その前提となる知識についてきちんと説明しているのがよい。
「IP アドレスをドメインに変換する DNS という仕組みがあって」とか、「サブネットとは」とか、かなり初歩の部分から説明している。
そのため、専門知識がない人でも問題なく読める。開発経験がない人でも読めるかもしれない。

一方で、既にある程度 AWS を理解している人にとっては、あまり得るものはないかもしれない。
また、あくまでも概念や用語の解説書なので、具体的な操作方法は一切載っていない。本書を読んだだけでは、実際に AWS で何かを出来るようにはならないと思う。
上述したように自分はまず概念を理解したいと思っていたので本書が合っていたが、とにかく手を動かして覚えたい場合は、他の入門書のほうがよいと思う。